介護職の仕事で緊急対応すべきポイント

介護の現場には、身体に何らかの疾患や障害を抱える高齢の利用者が大勢いる。そのような利用者の場合、介護をしている日常生活の中で、突発的な急病や思わぬ事故を引き起こすケースも珍しくない。このため介護職の仕事では、こうした緊急事態の第一発見者として、適切に救急対応することが求められるのだ。ちなみに、ここでいう救急対応とは利用者の症状をできるだけ軽減し、傷病がさらに拡大しないように必要最小限の応急処置をして、迅速に医療機関へ連絡または搬送することを指す。ここからは、救急対応のポイントについて幾つか紹介しよう。

まず症状を訴える利用者に対しては、その全身状態を冷静に観察することが大事だ。全身状態とは脈拍や呼吸といったバイタルサインをはじめ、手足のしびれや機能障害等を言う。ここでもし意識不明や大出血など危険な症状を認めたら、周囲に大声で助けを求め、同時に救急車の要請を行う。また、心肺機能の停止も確認できる場合には、救急車が到着するまでの間にAED等の機器を使い、速やかに心肺蘇生を実施する。

救急車や医療関係者が到着したら、発見時の利用者の症状や、実際に手当をした内容などを、できるだけ要領よくスムーズに知らせる。そして搬送先を救急隊員に聞き出し、利用者の家族や自分の所属組織に直ぐに連絡をする。付添い人がいない場合には、介護職が利用者と一緒に搬送先まで帯同することもある。搬送先の医療機関へ到着した後には、利用者の家族や自分の所属組織に対して、詳しく経過報告することも忘れてはならない。